VOCALOIDの青いお兄さん中心に好き勝手に書き散らしてるブログ。オフライン情報がメイン。
作品はピクシブにて公開中。ジャンル雑多になりつつあります。
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進みが遅くてすみません……。
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体が大きく震え、目が覚めた。瞬時に視点をあわせられなくて、景色がぼんやりとしか見えなかった。
クリアになってくる視界に映る景色に、顔をしかめる。
見覚えのない天井、窓の向こうに広がる家屋。寝ている場所すらも記憶にない。
キュル……という小さな音が頭の奥で響く。欠けている記憶を埋めるように、処理が始まった。
……ああ、そうだ。昨日拾われて、そのままいることになったんだ。
俺を拾ってくれた人――今はマスターと呼ぶべきか――の情報をまとめ始める。
メイコとミクのマスターの元同期だと言っていたから、二十歳前後なのだろう。
こげ茶色の髪に、どこか遠くを見ていた瞳。でも俺をここに置くと言ったとき
には、違ったように見えた。連れて来たものの、戸惑っているような態度だったのに……。
短時間でどんな変化があったのだろう。
『歌えるようにしてやる』
面と向かって言われた声が、ふいに蘇る。
それまでからは想像もできなかった、強い声と瞳。
機械―俺―にはない、人間の強さ。
……頼ってみようか。また歌えるようになるかどうか。
所詮、『歌う機械』だ。それから外れることも逃れることも出来ない。
マスターを得てしまったから、壊れることすらも。
それならば……。
ふっと息を吐いて、視線を天井に投げる。
逃げることも、壊れることも出来ないのなら、一度だけ、彼に『使われ』てみよう。
歌うために作られた。歌えなくなり、廃棄するしかないと自分でも思っていた。
絶望的な欠陥を抱えた俺を『歌えるようにする』といったのだ。
ソファーから立ち上がり、彼が寝ている部屋の前まで移動する。
――また、歌えるのなら……。
目を閉じて、昨日までの自分を振り切るように瞳を開ける。
小さな深呼吸をして、目の前の扉をノックした。
体が大きく震え、目が覚めた。瞬時に視点をあわせられなくて、景色がぼんやりとしか見えなかった。
クリアになってくる視界に映る景色に、顔をしかめる。
見覚えのない天井、窓の向こうに広がる家屋。寝ている場所すらも記憶にない。
キュル……という小さな音が頭の奥で響く。欠けている記憶を埋めるように、処理が始まった。
……ああ、そうだ。昨日拾われて、そのままいることになったんだ。
俺を拾ってくれた人――今はマスターと呼ぶべきか――の情報をまとめ始める。
メイコとミクのマスターの元同期だと言っていたから、二十歳前後なのだろう。
こげ茶色の髪に、どこか遠くを見ていた瞳。でも俺をここに置くと言ったとき
には、違ったように見えた。連れて来たものの、戸惑っているような態度だったのに……。
短時間でどんな変化があったのだろう。
『歌えるようにしてやる』
面と向かって言われた声が、ふいに蘇る。
それまでからは想像もできなかった、強い声と瞳。
機械―俺―にはない、人間の強さ。
……頼ってみようか。また歌えるようになるかどうか。
所詮、『歌う機械』だ。それから外れることも逃れることも出来ない。
マスターを得てしまったから、壊れることすらも。
それならば……。
ふっと息を吐いて、視線を天井に投げる。
逃げることも、壊れることも出来ないのなら、一度だけ、彼に『使われ』てみよう。
歌うために作られた。歌えなくなり、廃棄するしかないと自分でも思っていた。
絶望的な欠陥を抱えた俺を『歌えるようにする』といったのだ。
ソファーから立ち上がり、彼が寝ている部屋の前まで移動する。
――また、歌えるのなら……。
目を閉じて、昨日までの自分を振り切るように瞳を開ける。
小さな深呼吸をして、目の前の扉をノックした。
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