VOCALOIDの青いお兄さん中心に好き勝手に書き散らしてるブログ。オフライン情報がメイン。
作品はピクシブにて公開中。ジャンル雑多になりつつあります。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
目の前にあるのはずっと焦がれていた太陽。
常に自分たちと――自分と共にあると思っていた。
それなのに――――。
壁に背中を預けている自分を見下ろしてくる冷たくて――どこか苦しそうなゴールデンアイズ。
だらしなくはだけた襟元から覗く鎖骨にある火傷の後に、胸が痛む。
最初に見たときも信じられなかったが、今も信じることは難しい。
彼が――ジャンがCR:5を裏切ったなど。
「ジャン、さん……」
ぽつり、と名前を呼ぶと、一瞬だけつらそうに眉が寄せられたが、すぐに元の表情に戻る。
「さすがのマッドドッグもそうなると動けない、か……」
言いながら、ジャンの視線がジュリオの左手と右の脇腹に向けられる。
「……ジャンさん――」
どちらも自分の不注意から隙を見せてしまったせいだ。
「このままだと、さすがにヤバイんじゃねぇ?」
「――――ぐ……っ」
脇腹の傷を軽く踏まれ短い声が漏れた。
浅くなる呼吸の中で、それでもジュリオは真っ直ぐにジャンを見つめていた。
「――クショウ……」
「ジャ、ン?」
「なんでっ、なんで変わらないんだよ! なんでまだ、そんな目で――!!」
絞り出すような声と共に壁を蹴るジャンに恐る恐る手を伸ばす。
「――ジュリオ」
唐突に名前を呼ばれ、ぴたりとジュリオの動きが止まる。
「はい」
「ジュリオ」
「はい、ジャンさん」
ジュリオの名前を口にするたびにジャンの顔が歪んでいく。――つらそうな、泣き出しそうな表情に。
耐え切れない、というようにジャンの体が崩れ落ちる。慌ててその体を抱きとめると、かすかに震えていた。
ジュリオの背にしがみつくようにジャンの指がシャツをきつく握りしめる。押し殺すことに失敗した嗚咽が、首筋に触れる。
「――ジャンさん」
優しく太陽を閉じ込めたような金髪を撫でながら、彼の名前を呼ぶ。
ふらふらと顔を上げたジャンに薄く微笑みかけて、彼の不安を取り除こうとする。
「貴方は、貴方です。ジャンカルロ・ブルボン・デルモンテ」
「――――ッ!」
金色の瞳が揺らいで、あふれたものが頬を伝いながら零れ落ちた。
「おっまえは……ホントに……」
くぐもった声と共に次から次へと零れる涙を唇で掬いとめる。
静かに目を閉じるジャンに誘われるように、そっと口づけた。
常に自分たちと――自分と共にあると思っていた。
それなのに――――。
壁に背中を預けている自分を見下ろしてくる冷たくて――どこか苦しそうなゴールデンアイズ。
だらしなくはだけた襟元から覗く鎖骨にある火傷の後に、胸が痛む。
最初に見たときも信じられなかったが、今も信じることは難しい。
彼が――ジャンがCR:5を裏切ったなど。
「ジャン、さん……」
ぽつり、と名前を呼ぶと、一瞬だけつらそうに眉が寄せられたが、すぐに元の表情に戻る。
「さすがのマッドドッグもそうなると動けない、か……」
言いながら、ジャンの視線がジュリオの左手と右の脇腹に向けられる。
「……ジャンさん――」
どちらも自分の不注意から隙を見せてしまったせいだ。
「このままだと、さすがにヤバイんじゃねぇ?」
「――――ぐ……っ」
脇腹の傷を軽く踏まれ短い声が漏れた。
浅くなる呼吸の中で、それでもジュリオは真っ直ぐにジャンを見つめていた。
「――クショウ……」
「ジャ、ン?」
「なんでっ、なんで変わらないんだよ! なんでまだ、そんな目で――!!」
絞り出すような声と共に壁を蹴るジャンに恐る恐る手を伸ばす。
「――ジュリオ」
唐突に名前を呼ばれ、ぴたりとジュリオの動きが止まる。
「はい」
「ジュリオ」
「はい、ジャンさん」
ジュリオの名前を口にするたびにジャンの顔が歪んでいく。――つらそうな、泣き出しそうな表情に。
耐え切れない、というようにジャンの体が崩れ落ちる。慌ててその体を抱きとめると、かすかに震えていた。
ジュリオの背にしがみつくようにジャンの指がシャツをきつく握りしめる。押し殺すことに失敗した嗚咽が、首筋に触れる。
「――ジャンさん」
優しく太陽を閉じ込めたような金髪を撫でながら、彼の名前を呼ぶ。
ふらふらと顔を上げたジャンに薄く微笑みかけて、彼の不安を取り除こうとする。
「貴方は、貴方です。ジャンカルロ・ブルボン・デルモンテ」
「――――ッ!」
金色の瞳が揺らいで、あふれたものが頬を伝いながら零れ落ちた。
「おっまえは……ホントに……」
くぐもった声と共に次から次へと零れる涙を唇で掬いとめる。
静かに目を閉じるジャンに誘われるように、そっと口づけた。
PR
この記事にコメントする