VOCALOIDの青いお兄さん中心に好き勝手に書き散らしてるブログ。オフライン情報がメイン。
作品はピクシブにて公開中。ジャンル雑多になりつつあります。
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LD1のジュリジャンネタ。
フォロワさんのジュリオが子ジャンさんと会ったら?というものに刺激されたもの。
フォロワさんのジュリオが子ジャンさんと会ったら?というものに刺激されたもの。
――――暗い。
ほんのわずかな光さえない、完璧な暗闇。
闇に眼が慣れるまで、身じろぎすらせずにじっとその場に立ち尽くす。
どれぐらい、そうしていただろう。
なにかの音が、鼓膜を震わせ始めた。
高い、音。神経を集中させて音の正体を見極める。
「…………っ」
聞き覚えのある、音だった。子供の泣く、声。
――――ごめんなさいごめんなさい……おじい様ごめんなさい……。
脳裏に、泣きじゃくる自分と杖が振り下ろされる音が響く。
なにも出来ない子供。すべてを甘受するしかなかった子供。
唇を噛みしめ、掌をきつく握りしめる。
――大丈夫だ、今はもうあの頃の子供じゃない。あの頃の、俺じゃない。
深く息を吸い、吐き出す。
ある程度落ち着きを取り戻すと、改めて周囲を見渡した。
相変わらずの暗闇一色。
――夢の中だろうか? そんなことをぼんやり思う。
終わることのない悪夢。知らず、ため息をつく。泣き声も止むことはない。――と。
「……?」
冷静さを取り戻した耳が、違和感を訴える。
自分の泣き声だと思っていたものが、よく聞けば明らかに違う。
もっと、高く幼い、声だ。
気付いた瞬間、遠くでなにかが光った。
誘われるように、慎重に歩きはじめる。
どうやら、泣き声と光は同じところにあるらしく、光のほうに近づくにつれ、声も強く大きくなっていく。
「あ…………」
泣き声と光の元がなにかわかった途端、声が漏れた。
光の中心で、さらにまばゆい光がかすかに動いていた。
小さな手を――体を震わせ、持てる限りの力で泣いていた。
見間違えるはずがない太陽を恩恵を受けた髪。
天に向かって伸ばされていたその手に、そっと触れた。
一瞬だけびくり、とした後赤ん坊はジュリオの手のひらに頬を押し付け、きゃらきゃらと笑う。
――ああ、やっぱり、そうだ。
小さくても見間違えるはずがない。
柔らかな薔薇色の頬に、細心の注意を払って指をあてる。
「初め、まして、でしょうか? ジャンさん……」
そう、愛おしい愛おしい名前を口にした。
ジュリオの言葉の意味が分からないのか、赤ん坊――ジャンは黄金色の瞳をきょとんとさせながらジュリオを見つめていた。
「貴方の部下になる――ジュリオ・D・ボンドーネです」
言いながら、なぜか鼻の奥がツンとして視界がかすかに揺らぐ。
これは、奇跡だろうか?生まれて間もない、この人に出会えるなんて。
小さなジャンはジュリオの腕の中で無垢な瞳を何度も瞬かせる。
「ジャンさん……あの、俺……」
言いたいことはあるのに、うまく言葉がまとまってくれない。
こんなに小さいジャンさんにもうまく伝えることが出来ない――いや、小さいから、余計に。
戸惑うしか出来ないジュリオの頬に、小さなジャンの手が触れた。
はっとして顔を上げると、無邪気な瞳とぶつかった。
子供が持つ無邪気さと、混ざり合うように見知った強さがある。
――――知ってるよ、ジュリオ。
確かにそう、聞こえた。
半信半疑でジャンを見つめ返すと、ふわぁーと小さなあくびが返ってきた。
しぱしぱと眠そうに瞼が動く。
その愛らしい動作にジュリオの口元が、くすりと和らいだ。
金の髪をかき分けて、額にキスをする。
「おやすみなさい、ジャンさん」
柔らかなジュリオの呟きに誘われるように、赤ん坊の瞳が閉じられた。
ほんのわずかな光さえない、完璧な暗闇。
闇に眼が慣れるまで、身じろぎすらせずにじっとその場に立ち尽くす。
どれぐらい、そうしていただろう。
なにかの音が、鼓膜を震わせ始めた。
高い、音。神経を集中させて音の正体を見極める。
「…………っ」
聞き覚えのある、音だった。子供の泣く、声。
――――ごめんなさいごめんなさい……おじい様ごめんなさい……。
脳裏に、泣きじゃくる自分と杖が振り下ろされる音が響く。
なにも出来ない子供。すべてを甘受するしかなかった子供。
唇を噛みしめ、掌をきつく握りしめる。
――大丈夫だ、今はもうあの頃の子供じゃない。あの頃の、俺じゃない。
深く息を吸い、吐き出す。
ある程度落ち着きを取り戻すと、改めて周囲を見渡した。
相変わらずの暗闇一色。
――夢の中だろうか? そんなことをぼんやり思う。
終わることのない悪夢。知らず、ため息をつく。泣き声も止むことはない。――と。
「……?」
冷静さを取り戻した耳が、違和感を訴える。
自分の泣き声だと思っていたものが、よく聞けば明らかに違う。
もっと、高く幼い、声だ。
気付いた瞬間、遠くでなにかが光った。
誘われるように、慎重に歩きはじめる。
どうやら、泣き声と光は同じところにあるらしく、光のほうに近づくにつれ、声も強く大きくなっていく。
「あ…………」
泣き声と光の元がなにかわかった途端、声が漏れた。
光の中心で、さらにまばゆい光がかすかに動いていた。
小さな手を――体を震わせ、持てる限りの力で泣いていた。
見間違えるはずがない太陽を恩恵を受けた髪。
天に向かって伸ばされていたその手に、そっと触れた。
一瞬だけびくり、とした後赤ん坊はジュリオの手のひらに頬を押し付け、きゃらきゃらと笑う。
――ああ、やっぱり、そうだ。
小さくても見間違えるはずがない。
柔らかな薔薇色の頬に、細心の注意を払って指をあてる。
「初め、まして、でしょうか? ジャンさん……」
そう、愛おしい愛おしい名前を口にした。
ジュリオの言葉の意味が分からないのか、赤ん坊――ジャンは黄金色の瞳をきょとんとさせながらジュリオを見つめていた。
「貴方の部下になる――ジュリオ・D・ボンドーネです」
言いながら、なぜか鼻の奥がツンとして視界がかすかに揺らぐ。
これは、奇跡だろうか?生まれて間もない、この人に出会えるなんて。
小さなジャンはジュリオの腕の中で無垢な瞳を何度も瞬かせる。
「ジャンさん……あの、俺……」
言いたいことはあるのに、うまく言葉がまとまってくれない。
こんなに小さいジャンさんにもうまく伝えることが出来ない――いや、小さいから、余計に。
戸惑うしか出来ないジュリオの頬に、小さなジャンの手が触れた。
はっとして顔を上げると、無邪気な瞳とぶつかった。
子供が持つ無邪気さと、混ざり合うように見知った強さがある。
――――知ってるよ、ジュリオ。
確かにそう、聞こえた。
半信半疑でジャンを見つめ返すと、ふわぁーと小さなあくびが返ってきた。
しぱしぱと眠そうに瞼が動く。
その愛らしい動作にジュリオの口元が、くすりと和らいだ。
金の髪をかき分けて、額にキスをする。
「おやすみなさい、ジャンさん」
柔らかなジュリオの呟きに誘われるように、赤ん坊の瞳が閉じられた。
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