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VOCALOIDの青いお兄さん中心に好き勝手に書き散らしてるブログ。オフライン情報がメイン。 作品はピクシブにて公開中。ジャンル雑多になりつつあります。
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 あちこちで聞こえる爆発音。鼻をつく煤や火の匂い。
 抱えている二人を落とさないように、傷付けないように気をつけながら、あの人が待つ場所に急ぐ。
 煙の向こうに細身の影が浮かび上がる。

 ――――帰って来れた。

 ほっとして小さな息を吐き出す。向こうも安心したのか、不安げな表情に笑みが浮かべられた。

『無事でよかった! 二人も……。つれてきてくれて、ありがとう』

 連れて来た二人の頭を撫でると、俺の腕を引っ張る。

『さ、早く行こう。ここは危な……!?』

 あの人が反射的に振り返るのと、俺が覆いかぶさるのとどちらが早かっただろう。
 すぐそばで音が弾け、破片が体中に襲い掛かる。

『……っ』

 微かな痛みに瞼を閉じ、落ち着くまでこのままでいようと思った。
 せっかく連れ出した二人を傷つけたくなかったし、なによりこの人を守り抜きたかった。
 体に受ける衝撃が弱まり、ゆっくりと瞳を開ける。
 そこに移ったのは、ぐったりと倒れているあの人だった。

『っ……、大丈夫ですか!?』

 動くと背筋をなにかが伝った。袖が赤くなり、そこで血だと気付く。
 あの人の服も赤く染まり始めていた。

『博士!』
『大……丈夫……。……?』

 ぼんやりと俺を見つめ、ゆるゆると手が伸ばされる。

『怪我、してる……? 早く、手当て……』
『俺より貴方のほうが先でしょう!?』

 どんなに血が流れても動きが鈍くなる程度で死ぬことはない。痛覚もそんなにはっきりとはしていない。
 俺は作られたモノだから。この人は違う。

『大丈夫、だよ? だから、そんな顔しないで』

 あやすように呟きが、不安をますます大きくさせる。

『大丈夫、大……じょぅ……』

 ひゅう……というか細い呼吸とともに俺の頬にあった手が、ずるりと滑り落ちた。

『博士! しっかりして下さい!』

 あのとき、あなたのいうことを聞いておけばよかった。
 でも、二人を見捨てることは出来なかった。新しい妹弟たち。
 なにより、あなたが彼らを大切にしていたのを俺は知っていたから。
 あなたが大切にしているものを守りたかったのに、傷を付けてしまった。
 ――――もし、あなたの言葉通り動いていたなら、あなたは傷付かず、俺はまだ歌えていたのだろうか?


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